【確認用】2021年度 微細加工技術 実践セミナー(2021年6月~)
~オンライン技術セミナー &実習コースでプロセス技術と共用施設の活用を学ぶ~

 微細加工技術は、半導体エレクトロニクスから生まれた技術ではありますが、現在ではMEMSや光デバイスさらにはバイオにまで活用されており、いわば先端の科学技術分野に必須の技術ですので、基礎研究から産業応用まで誰もがアクセス可能な技術であるべきと考えています。
 文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業・微細加工プラットフォーム(PF)では、インフラとしての研究開発を行う場を提供するとともに、高度な加工技術の提供も行っており、これまで公開利用で総計11,000件を超える産官学の研究者・開発者に有効活用いただいております。
 しかしながら、研究分野が異分野故に活用を逡巡されていたり、微細加工技術へのアクセス方法が不明であること等により、利用の機会を失っていた方々も多いかと存じます。
 本セミナーを通じて、微細加工技術の基礎及び概要を知っていただき、微細加工PFの共用施設を有効に活用いただくきっかけとしていただくことを狙いとします。研究・開発の加速、並びに課題解決の一助になることを願っております。

フライヤー(pdf)

■開催予定

 
昨年度に引き続き2021年度も、技術セミナー(講演)と実習コースを実施いたします。
 2020年度に開催したセミナーはこちらをご覧ください
 ・2020年度 実践セミナープログラム
 ・第1回~第6回 技術セミナー動画

 1.微細加工プロセス技術セミナー(講演)
 基礎的な技術を学ぶ「チュートリアル」と、微細加工プラットフォーム各拠点の特徴的な技術を紹介する「プラットフォーム技術紹介」から構成されます。全てZoomを利用したオンラインで開催します。参加は無料です。

 2.微細加工技術 実習コース
 共用施設クリーンルームにおいて、実験、試作などを体験して頂きます。
  (1)基礎的な微細加工プロセス実習(1日~3日コース:無料)
  (2)アドバンス実習(1日~4日コース:有料)
 があり、9月~1月の期間に全国各拠点にて実施されます。(一部リモート(遠隔)での実施あり)
(実習の開催は、状況により日程、内容等が変更される場合がありますのでご了承ください)
 尚、事前に実習コース説明会をオンライン(Zoom利用)で開催します。(7/28)

 

1.微細加工プロセス技術セミナー(講演)
第7回 微細加工プロセス技術セミナー(2021年 6月 30日 終了)

開催日時 2021年6月30日(水) 15:30~16:40
開催場所 Zoomによるオンラインセミナー
参加費 無料
参加申し込み 下記URLより事前登録してください。
開催前日にZoomセミナーの招待メールをお送りします。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-1-7.html
申込期限:6/28(月)
※参加申し込みの受付を終了いたしました。
プログラム 15:30~15:35
  1.「ナノテクノロジープラットフォーム事業・微細加工PFのご紹介」
    微細加工PF 代表機関
15:35~16:00 【チュートリアル】
  2.「物理気相成長(PVD)による成膜技術」

名古屋大学 加藤剛志
薄膜作製に主に用いられる気相成長法は,化学反応の有無により化学気相成長(CVD)と物理気相成長(PVD)に大別され,目的とする材料,機能性,膜厚制御性などにより適した手法が選択されます。本セミナーでは金属,半導体,酸化物など様々な薄膜形成が可能な物理気相成長について,その原理と特徴を解説します。

16:00~16:20 【PF技術紹介】
  3.「集積化センサ/アクチュエータを形成可能なSOI-MEMS技術」

香川大学 高尾英邦
SOI (Silicon on Insulator) ウェハを用いるMEMS技術は,単結晶のシリコン厚膜により優れた特性を持つ各種センサ・アクチュエータを実現できる基盤技術です。本講演では,本学固有の加工・組立技術を用いて形成した特徴ある触覚センサデバイス,MEMS分光器などの開発例を紹介します。

16:20~16:40 【PF技術紹介】
  4.「高分子マテリアルの微細加工技術」

京都大学 岸村眞治
マイクロ流体デバイス、マイクロレンズなどの3次元構造体やフレキシブルデバイスの作製には、厚膜レジストやプラスチックへの微細加工技術が必要です。本セミナーではこれら高分子材料へのデバイス作製技術について紹介します。

第8回 微細加工プロセス技術セミナー(2021年 8月 25日 終了)

開催日時 2021年8月25日(水) 15:00~16:10
開催場所 Zoomによるオンラインセミナー
参加費 無料
参加申し込み 下記URLより事前登録してください。
開催前日にZoomセミナーの招待メールをお送りします。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-1-8.html
申込期限:8/23(月)
※参加申し込みの受付を終了いたしました。
プログラム 15:00~15:05
  1.「ナノテクノロジープラットフォーム事業・微細加工PFのご紹介」
    微細加工PF 代表機関
15:05~15:30 【チュートリアル】
  2.「Si深堀エッチング(Deep-RIE)技術とその応用」

東北大学 森山雅昭
Siの深掘りドライエッチング(Deep-RIE)に用いられている技術は、MEMSデバイスの作製において基本的かつ重要なものです。本講演では、Siの深掘りドライエッチングで主に用いられている技術であるボッシュプロセスの仕組み、エッチング中に起こる現象、Si深掘りエッチングの応用例について解説します。

15:30~15:50 【PF技術紹介】
  3.「SiのCVDと薄膜利用MEMS」

豊田工業大学 佐々木実
アモルファスSiをLPCVD成膜した後にアニールすると、ランダムに並んでいたSiの結晶化が進むと共にHが抜けるため、大きな引張応力が得られます。この結晶化誘起応力は、最初の膜がアモルファスであるほど大きくなります。膜応力を利用して、軽くて堅牢な薄膜構造を製作した例を紹介します。

15:50~16:10 【PF技術紹介】
  4.「パッケージングで差を付ける! 東京大学微細加工拠点でのシステム実装環境」

東京大学 三田吉郎、豊倉敦、河井哲子
ナノプラの設備が充実し、完成度の高い電子デバイスが続々と生まれています。次の段階は「システム化」です。プリント基板を自作してデバイスを電子回路と一緒に搭載、プラスチックや金属など思い思いの素材でケーシングして、一歩進んだ研究成果に仕上げることが大切です。バックエンド加工室から実況生中継で紹介します。

第9回 微細加工プロセス技術セミナー(参加申し込み受付中)

開催日時 2021年10月29日(金) 15:00~16:40
開催場所 Zoomによるオンラインセミナー
参加費 無料
参加申し込み 下記URLより事前登録してください。
開催前日にZoomセミナーの招待メールをお送りします。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-1-9.html
申込期限:10/27(水)
プログラム 15:00~15:05
  1.「ナノテクノロジープラットフォーム事業・微細加工PFのご紹介」
    微細加工PF 代表機関
15:05~15:30 【チュートリアル】
  2.「連続発振レーザ結晶化とその応用」

広島大学 黒木伸一郎
レーザアニール技術は局所的(100μm以下)に短時間(ミリ秒以下)で高温加熱(1000℃以上)が可能であり、基板上の局所加熱や薄膜での結晶成長に有用です。Si薄膜と強誘電体膜を例に結晶成長の例を示し、また結晶面方位制御による電子電界移動度1000cm2/Vsを超える高移動度Si薄膜トランジスタについても解説します。

15:30~15:50 【PF技術紹介】
  3.「フェムト秒レーザによる高アスペクト比加工」

名古屋大学 加藤剛志
フェムト秒レーザはパルス幅100 fs程度のパルスレーザであり,熱影響のない高精細加工や多光子吸収プロセスを利用した微細加工ができるという特徴があります。本講演では,名古屋大学のフェムト秒レーザ加工装置を利用した高アスペクト加工や3次元微細加工の加工例を紹介します。

15:50~16:00 休憩
16:00~16:20 【PF技術紹介】
  4.「デバイスからの放出ガス分析」

山口大学 栗巣普揮
デバイスの不具合発生要因などを調べるために、稼働状態のデバイスから放出されるガスを分析することを可能としたダイナミック昇温脱離ガス分析装置について、事例を含め紹介します。

16:20~16:40 【PF技術紹介】
  5.「電子線描画装置を利用した金属ナノ構造作製技術」

北海道大学 松尾保孝
電子線描画装置を用いたフォトニック・プラズモニックデバイス作製のための基礎技術の説明と、新しい技術導入によるデバイス作製の効率化・高機能化技術について紹介します。

第10回 微細加工プロセス技術セミナー(参加申し込み受付中)

開催日時 2021年11月24日(水) 15:00~16:10
開催場所 Zoomによるオンラインセミナー
参加費 無料
参加申し込み 下記URLより事前登録してください。
開催前日にZoomセミナーの招待メールをお送りします。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-1-10.html
申込期限:11/22(月)
プログラム 15:00~15:05
  1.「ナノテクノロジープラットフォーム事業・微細加工PFのご紹介」
    微細加工PF 代表機関
15:05~15:30 【チュートリアル】
  2.「マイクロアクチュエータの基礎と活用」

豊田工業大学 佐々木実
代表的マイクロアクチュエータについて、デザインのポイントやプロセスとの兼ね合いを解説します。2013年に行ったMEMS実践セミナーと比べて、異方性サスペンション、アクチュエータのセンサ活用を紹介します。物理的に動くアクチュエータを使うと、材料の特性変化などよりも高コントラストな変化を得やすい特徴が得られます。

15:30~15:50 【PF技術紹介】
  3.「原子層堆積による成膜と薄膜評価技術」

産業技術総合研究所 有本宏
ナノプロセシンク施設(NPF)でのALD成膜事例やALDで成膜した薄膜のXPSによる組成分析、X線回折装置による結晶性評価、SIMSによる不純物分析などの薄膜評価技術を紹介するとともに、新規に導入するALD装置の紹介をします。

15:50~16:10 【PF技術紹介】
  4.「試作コインランドリにおけるウェハ接合技術」

東北大学 邉見政浩
MEMSには機械的に動く機構があり、これを保護する蓋を形成するため、ウェハレベルの接合技術がよく用いられています。別々の工程を経てきたウェハの接合、或いは異なる材質のウェハの接合など、目的に応じて様々な接合が要求されます。本セミナーでは、試作コインランドリにおけるウェハ接合の実例について紹介します。


 

2.微細加工技術 実習コース
2.1 実習コース説明会(オンライン)(2021年7月28日 終了)

実習への参加を検討、予定されている方はぜひ受講ください。

開催日時 2021年7月28日(水)14:30~16:50
場所 ZoomによるWEB説明会
参加費 無料
参加申し込み 下記URLより事前登録してください。
開催前日にZoom説明会の招待メールをお送りします。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-2-1.html
申込期限:7/26(月)
※参加申し込みの受付を終了いたしました。
内容 14:30 微細加工PFの紹介 及び 実習コースの概要説明

(1)基礎的な微細加工プロセス実習コース
 14:40 ①多目的i線ステッパ、コータデベロッパによる微細パターン形成(東北大学)
 14:50 ②電子線露光プロセス実習(東京工業大学)
 15:00 ③マスクレス露光によるフォトリソグラフィー(名古屋大学)
 15:10 ④マイクロ流路の作製(京都大学)
 15:20 ⑤エリプソメータによる膜厚測定(山口大学)

 <休憩・質問など>

(2)(希望者にカスタマイズした)アドバンス実習コース
 15:40 ⑥原子層堆積(ALD)装置による薄膜形成実習(北海道大学)
 15:50 ⑦電子ビーム描画の基礎と実践(筑波大学)
 16:00 ⑧Character Projection を使った電子線描画技術の実習(東京大学)
 16:10 ⑨静電容量型加速度センサーの設計から試作・評価(京都大学)
 16:20 ⑩マイクロ流路デバイスの設計・製作・評価(香川大学)
 16:30 ⑪SiC SBDの試作とパワー半導体デバイスの測定(広島大学)

16:40 全体質疑

2.2 実習 プログラム(参加申し込みの受付を終了いたしました)
参加申し込み 下記URLよりお申込みください。
参加される実習コースが決定しましたら、ご連絡を差し上げます。
URL:https://nsn.kyoto-u.ac.jp/p/seminar2021-2-2.html
申込期限:8/27(金)
※参加申し込みの受付を終了いたしました。
基礎的な微細加工プロセス実習(無料) ①多目的i線ステッパ、コータデベロッパによる微細パターン形成
i線ステッパ・コータデベロッパ概要、露光手順、レチクルレイアウトの説明(1時間程度の座学)、レジスト塗布、露光、現像、観察を行います。1st露光のほかアライメントを伴う2nd露光も実施します。
 日程:1日コース(10時~17時を予定:日程は受講者と調整)
 定員:5名
 実施場所:東北大学 西澤潤一記念研究センター(宮城県仙台市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=xsC3TmI2xno

②電子線露光プロセス実習
電子線露光装置を用いた、微細パターンの露光プロセス実習を行います。
レジスト塗布、電子線による露光、現像及び露光パターンのSEM観察、等、基本的な露光プロセスを実習します。
 日程:1日コース(11月実施:日程は受講者と調整)
 定員:2名
 実施場所:東京工業大学 大岡山キャンパス(東京都目黒区)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=OLva3jtU1IU

③マスクレス露光によるフォトリソグラフィー
マスクレス露光装置を用いて任意パターンを露光しパターン形成を行うとともに,マーク検出による重ね合せ露光を行います。
 日程:1日コース(日程は希望者と調整)
 定員:3名
 実施場所:名古屋大学 東山キャンパス ベンチャービジネスラボラトリー(名古屋市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=RKNUtuA2iOk

④マイクロ流路の作製
参加者自らがマイクロ流路の設計を行った後、レーザー描画装置、両面マスクアライナー等を利用して、2液混合用PDMS流路を作製します。作製した流路に2液を流し、混合状態を観察します。
 日程:3日コース(日程は受講者と調整)
 定員:3名
 実施場所:京都大学 吉田キャンパス ナノテクノロジーハブ拠点(京都市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=bjlAoBuBN4A

⑤エリプソメータによる膜厚測定
エリプソメータ(分光型)を用いて、膜厚のほか光学定数の測定について基礎から応用まで習得するため、本学の装置を使用した測定実習を行い、解析の技術を習得します。
 日程:2日コース(10月4日~10月29日(うち金曜日を除く連続2日間で受講者と調整))
 定員:2名
 実施場所:山口大学 工学部(山口県宇部市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=JPXlA0Re1w8
アドバンス実習(有料) ⑥原子層堆積(ALD)装置による薄膜形成実習
ALD装置によるアルミナあるいはチタニアの成膜について、プロセス条件設定や装置の取り扱いについての実習を行います。実習はユーザーが希望する基板・材料(粉末も可)への成膜を行います。
 日程:2日コース(日程は受講者と調整)
 定員:2名
 参加費:44,000円
 実施場所:北海道大学 創成研究棟(札幌市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=Kjb0caEJvBM

⑦電子ビーム描画の基礎と実践
これから電子ビーム描画を始めてみたい方を対象として、電子ビーム描画の基本を習得します。電子ビーム描画装置はELIONIX ELS7500EXを用います。サブミクロンのレジストパターン(電子デバイス等)を容易に形成することができます。
 日程:2日コース(応相談)(日程は受講者と調整)
 定員:3名
 参加費:3~4万円程度
 実施場所:筑波大学第三エリア 共同研究棟C 1階(茨城県つくば市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=Q3_iRHDXVBA

⑧Character Projection を使った電子線描画技術の実習
電子線描画機の方式には、ポイントビーム、可変整形ビーム、Character Projection (CP) 等があります。この内の CP を用いて、構造色のパターンを作り、エッチング、SEM 観察の後、光学顕微鏡で透過光を確認します。
 日程:1日コース(9時~17時半を予定:8-12月の間で受講者と調整)
 定員:講習は一人一日づつ。3名まで
 参加費:約6万円
 実施場所:東京大学 武田スーパー・クリーン・ルーム(東京都文京区)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=xQfZ8ejVQWw

⑨静電容量型加速度センサーの設計から試作・評価
MEMS基礎から加速度センサーの基本動作原理について学習し、受講者自身による設計、製作、評価実習を通して理解を深めます。実習の前にオンライン講義を実施します。(講義担当:京都大学工学研究科 土屋教授)
 日程:4日コース ・講義:日程は受講者と調整 ・実習:11月15日(月)~17日(水)
 定員:4名
 参加費:約4万円
 実施場所:京都大学 吉田キャンパス ナノテクノロジーハブ拠点(京都市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=PeO6TZxwHPA

⑩マイクロ流路デバイスの設計・製作・評価
マイクロ流路デバイスに関する一連の工程として、流路設計、流体解析、PDMS デバイス製作、形状評価、流体可視化実験、画像解析について、受講者と相談の 上、希望と経験に応じて内容を調整し実施します。
 日程:2日コース(日程は受講者と調整)
 定員:2名
 参加費:5万円
 実施場所:香川大学 創造工学部 フロム香川(香川県高松市)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=O47cSMAXLJ8

⑪SiC SBDの試作とパワー半導体デバイスの測定
SiCショットキーバリアダイオード(SBD)の試作を行い、1kVまでの耐圧測定等を行います。SiC SBD試作と測定の実際を学べます。講義・実習はオンラインも選択可です。
 日程:2日コース(12月-1月の間で受講者と調整)
 定員:3名
 参加費:5万円(材料代込み)
 実施場所:広島大学(広島県東広島市/オンラインも選択可)
 概要:https://www.youtube.com/watch?v=mi96uJHKk78

 

お問合せ先
 微細加工プラットフォーム・コーディネーター
  TEL: 075-753-5656
  Email: nanofab-coordinators(at)t.kyoto-u.ac.jp
  ※(at)をアットマークに変更してからご使用ください