文部科学省委託事業である”ナノテクノロジープラットフォーム”の一環として、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)実践セミナーを開催します。FIBはイオンビームをマイク口~ナノメートル・サイズの大きさに細く絞り、任意の場所を加工したり、成膜したりすることができる技術で、TEM試料作製をはじめ、様々な微細加工のための技術として益々重要になっています。
このセミナーでは、FIB技術の概論を各要素に分けて分かりやすく解説するとともに、関東地区の実施機関が保有するFIB装置の特長を紹介し、利用者の要望に合わせた最適な装置選択ができるようなセミナー内容にしました。セミナー後半では、各実施機関におけるこれまでの加工事例を紹介することで、より具体的なイメージが持てるような構成になっています。
また、筑波大学、東京工業大学、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所において、実際の装置を使った無料の操作実習プログラムを用意しています。産学官にかかわらず、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
概要
開催日時 | a)講義:2013年 9月 2日(月)13:00~17:10 b)実習:2013年 9月 3日(火)~9月 10日(火) |
---|---|
主催 | 文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム 微細加工プラットフォーム |
場所 | a)講義:産業技術総合研究所 つくば中央第2事業所2-12棟第6会議室 b)実習:筑波大学、東京工業大学、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所 |
詳細 | a) 講義(定員50名) 13:00-13:05 Opening ナノテクノロジープラットフォーム微細加工コーディネータ 有本 宏 13:05-13:50 FIBによる加工観察技術 元 株式会社日立ハイテクノロジーズ 石谷 亨 13:50-14:30 日立FIB装置の特徴と応用 株式会社日立ハイテクサイエンス 清原 正寛 14:30-15:10 ナノ観察から3D解析まで~最新DualBeamとそのアプリケーション 日本エフイー・アイ株式会社ナノポートジャパン 完山 正林 15:10-15:20 休憩 15:20-16:00 He/Ne顕微鏡の原理と応用 カールツァイス・マイクロスコピー株式会社 足立 達哉 16:00-16:20 事例紹介1-エマージングデバイスのFIB微細加工・観察事例- 産業技術総合研究所 飯竹 昌則 16:20-16:40 事例紹介2-XVision200DBを駆使した種々材料へのFIB加工- 物質・材料研究機構 中島 清美 16:40-17:00 事例紹介3-Helios600iでの支援事例とビームプロセスを用いたデバイス作製- 筑波大学 村上 勝久 17:00-17:10 微細加工プラットフォームの紹介 ナノテクノロジープラットフォーム微細加工コーディネータ 落合 幸徳 b) 実習 筑波大学 Helios(FEI) 2名 9月3日 物質・材料研究機構 XVision(日立ハイテクサイエンス) 2名 9月3日~4日* 産業技術総合研究所 FB2100(日立ハイテクノロジーズ) 2名 9月3日~4日* 東京工業大学 FB2000A(日立ハイテクノロジーズ) 各3名 9月9日/10日 *物質・材料研究機構、産総研での実習は2日間のコースとなります 。 ※実習のみのご参加はできません。 プログラムはこちらからダウンロードもできます。 |
参加費 | 無料(但し、参加者の講義および実習開催場所までの交通費と宿泊代は参加者負担) ※有料のアドバンストコースもご用意しております。持込試料の加工や自分でやってみたかったFIB加工をマンツーマンで丁寧にお教えいたします。 |
応募資格 | ・学部卒業以上または、それと同等以上の経験を有する産官学の研究・開発従事者(大学院生は指導教官の許可を得ることが条件)。 ・超微細加工・ナノ計測・分析に関する経験不問。 ・実習期間中、各実習開催機関の安全ガイドラインと専任スタッフの指示を守れる事。 |
応募期間 | 平成25年7月31日(水)10:00~8月23日(金)17:00 原則として先着順。 (ただし、実習に関しては同一機関からの参加者が複数とならないように配慮します。) |
参考URL | https://nanoworld.jp/npf/training/ |
連絡先 | (独)産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 ナノプロセシング施設 TEL:029-861-3210 FAX:029-861-3211 Email:npf-info-ml(at)aist.go.jp |
開催報告
FIB実践セミナーを関東地区の筑波大学、東京工業大学、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所の4実施機関の共催で9月2日(月)に産業技術総合研究所で開催しました。 講師によるFIBの要素技術の解説や各機関が保有する装置の特長の紹介、さらに、各実施機関からの加工事例の紹介を行い、FIB加工になじみの少ない方から、さらにスキルアップして実際に使いたい方までの幅広いニーズに応えた、盛りだくさんのセミナーでした。高知、岡山といった遠方からの参加もあり、参加人数は60名弱と盛況なセミナーになりました。 セミナー終了後のアンケート調査の結果では、微細加工プラットフォームをまだ利用したことがないが、今後、検討したいという方が全体の半数近くあり、是非、このようなセミナーをまた開催したいと思います。 このセミナーではFIBの実習コースも各機関で準備していますが、申し込み希望者が多数のため、実習スケジュールの追加をしました。本セミナーに関する実習が終わるのは、9月19日となっています。 微細加工コーディネータ 有本 |